2009年1月20日火曜日

公共事業について

ダムを作ればいつかは満砂する。 治山の考え方からいえば、土壌の流出と防いでいるし 山脚も固定できているから目的は達成されることになる。 保全対象としての森林は守られる。 でも森林の中の状況は刻々と変化する。 大水で渓流なんて簡単に変わってしまうし 地すべりがおきれば、森林の地形は変わってしまう。 たとえば、農地や宅地とは違って林地はその形状が変わりやすいし 変わっても実生活でそんなに影響がない場所ではある。「粗放」な場所だ。 森林内にダムを置くということはある意味、「現況の固定化」である。 川はここ、森林はここ、という風に動かないようにクギ打ちしてしまう。 「粗放」な管理になっている理由は、「密な管理をすると割に合わないから」だ。 生産性が低い場所にはそれに見合ったコストで管理を行う。 僕には「現況の固定化」は管理コストの増加を招くのではないかと思う。 現況の森林を保全する役には治山事業は確かに立っている。 でも構造物があってもなくても山は山なんだ。 時間軸でみた運動体としての森林を考えると、別にあってもなくても たいした問題ではないのかなぁと。