めずらしいものを手入れしている風景。
カマウにはトラはもちろん、銃が必要な大動物なんていない。当座のところ、戦争もないようだ。きっと先の戦争で使われた年代物だろう。
なにを撃つんだい。と聞くと、彼はニヤリとしてこちらに銃口を向ける。
僕はうんざりして、かぶりをふる。
そもそも銃の所持は禁止じゃなかったか。この国は。
そしてUSAじゃねぇか。分捕品かよ。
そういえばカマウでは多くの分捕品をみかけてなかなか楽しかった。水筒・バッグ・方位磁針。
ぜんぜん壊れないんだぜ。植林の休憩中、うちの副社長のフックは自慢の水筒を見せびらかす。水筒の中身ははちみつドリンク。
サイゴンにほど近い観光地、クチでは外国人も銃の試射ができる。日本からやってきた友人たちは嬉々と撃ちにでかけ、僕はといえばコーヒーを飲み銃声と嬌声を聞きながらながら待つ。
内規で禁止されている以前に気乗りがしない。なぜだろう。ガジェットとしては好きだと思うんだけれど。西部警察とか大好きなんだけどな。
ノリで銃を撃つ気にはならない。そのあたり、徹底的になにかしらの覚悟を欠いている。
怖がりなのだろう、ひらたく言えば。
実際、コーヒー飲みながらタバコを吸ってるほうがはるかに気分がいい。