2011年10月9日日曜日

ススキと水田

















まあ、ススキではないと思うけれど。
まあ、カヤ科のなんかだ。

日本で10月といえば、ちょうどいい季節だ。
涼しくてよく眠れるし、運動も快適。メシもうまい。
なんか、初氷、とか聞いたような。


メコン・デルタのここ最近は、ずいぶん雨が多くて
肌寒い、と感じることが多かった。
それでも半袖サンダルで生活していたわけで、ベースの気温は日本とは違う。
昼間は十分暑い。


日々の生活だけを取り出して、秋を感じることってほどんどない。
木々も草もは青いままだし、市場に行けば、大量のくだもの。
食べものはいつもどおり。飲み物も相変わらず熱いお茶とカフェ・ダー。

ススキを見たときに、ああ、10月なんだな、と思いだした。
何回目かの田植えがこの辺りでは終わって、青い稲が風に揺れている。



山でもひとつありさえすれば、目印になるのだけれどな、と思う。

そんなことを考え出したら、日本にいたときは、山や海を定点観測していたんだ、
と気がついた。


雲がかかったり、晴れて山頂まできれいにみえたり、雪が積もったり。
ここはまったいらだから、視線を空に移すポイントがない。
見上げると、たいらな土地があって、その先に空がある。
ベトナムの空は表情豊かだ。


ススキと稲、考えると奇妙なんだけれど、
それがきっと、ここでは普通の風景なんだろう。