2025年4月21日月曜日

施業と材の価値について

詳しい方にお話を伺う機会があったのだけれど、なんだかうまく質問ができなかった。こいつはバカで怠け者なんじゃないかと思われていたかもしれない。そうなんです。バカで怠け者なんです。


商品の良し悪しを判断するうえで、履歴・その商品がどのように作られたか、は判断材料の一つになる。工業製品だとちょっとあれだけど、一点一点丁寧に仕上げましただとか、環境配慮的トレーサビリティだとか、いろいろあると思う。

林業でも、履歴は割と参照される。たとえば、施業台帳などと言われて管理されていたりもする。スギヒノキの場合、成長に従って隣り合った木同士が混み合ってきて、太り(肥大成長)が遅くなる。手入れのよい林は、丁寧に間伐をして、植栽木同士の競争を定期的に緩和させる。

わからないことの一つは、「うちの山の木は高く売れる」場合、その理由は丁寧な手入れのおかげなのかということ。これは施業台帳を見て、どんな管理をしていたのかを知ることが、少しヒントになるかもしれない。ただし、グッド・プラクティスが価値向上に結びつくかどうかは確信が持てない。一般に、森林認証制度はグッド・プラクティスは保証するけれど、材の価値は保証しない。少しだけプレミアムがつく、という話はあるけれど、やっぱりよくわからない。

もう一つには、台帳はどうもなさそうだということ。ありそうなのは、ある年の施業実績が載っている資料。そしてその解読はけっこう大変そうだ。いま売れる木は、少なくとも50年くらい前には植えられていたはずだ。昭和50年代の台帳はたぶんそれほど難しくはない。でも昭和20年代となると古文書レベルで僕の読解力では簡単には読み取れないかもしれない。

僕が見たいのは、ある場所の今までの施業実績だから、横軸と縦軸を変換したデータを生成する必要がありそう。そこまでしてみたいものが見れるのかというと、よくわからない。


とまれ、僕の関心は、考古学・民俗学的なものではなくて、施業と材の価値の関係みたいだ。もやっとしていたけれど、そこが整理されただけ、意味があったのかもしれない。