2015年6月2日火曜日

クラッシックの聴き方がわかんないけど"3 Libras"が演奏されてると聞いて駆けつけた

クラッシック聴きますって、頭が良さそうに見えそう(バカそう。趣味はクラッシック鑑賞とか、言ってみたい。
楽しみ方がよくわかんない。どんな楽しみ方をしてもいいのは知ってますよ。クラッシクのレコードをフリスビーに使ったっていいのだって知ってる。
圧倒されるんだと思う。主題を聴けばいいのか。リフ(ロック風表現)を聴けばいいのか。楽器の音を聴けばいいのか。焦点を絞れない。どこで頭を振ればいいの。
困惑ののち、退屈になる→入眠。
スティーブ・ライヒは好き。展開の妙。プログレです。

Shuffle.Play.Listen
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posted with amazlet at 15.06.01
Matt Haimovitz & Christopher O'reilly
Oxingale Records (2011-09-27)
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ビックバンドだとアンサンブルでわーっとなって混乱するので、室内楽みたいなほうがいいですね。ピアノだけのほうが、まだ聴きやすいかなぁ。そんなことで、僕のクラッシクのライブラリはピアノソナタばっかり。混乱を招かないだめに。

ところで、ポピュラー音楽のクラッシック・カバーはゴマンとありますね。僕も嫌いじゃない。ただ、聴いてみて、難しいもんだな、と思います。
残念ながら高尚なクラッシック・リスナーではなくて、市井のメタルっ子なので、こちらをご紹介しないわけにはいくまい。
 
ええ。Metallicaの名曲カバーです。メタルのリフとチェロは相性がいいですね。メタル的ウォール・サウンドが、ちゃんとチェロで作り出されています。
しかし、ボーカルのメロディをそのままなぞると、けっこう悲惨だ、ということもわかる。ジェイムズ・ヘットフィールドは稀代の歌い手ですが、あの声でああ吐き捨てるからかっこいいんだな、と再認識させる出来。
音高がジェイムズの声と同じだとしても、なんだかまぬけに聴こえる。

中盤のツインリードのソロはとてもクラッシック的できれい。
そもそもこの楽曲そのものが、どこかしらクラッシック的構成を持ち合わせているように思われます。
エレキのささくれだった質感を一生懸命表現しようとしているように聴こえるんだけれど、やはり別物の仕上がりではあります。

Apocalypticaと同じ愚を犯してしまっているのが2Cellos。日本でも有名です。"Wellcome to the jungle"とか、"Smells like teen's sprit"とか。失笑です。おまえらなんでこれ選んだし。
不思議ですね。ヴォーカルってソロでしょ。なんで滑稽に聴こえるんだろう。


本題に。
本日ご紹介するのはChristopher O'rilleyというピアニスト。
この人はRadiohead好きなのか、カバー・レコードを2枚出している。前編ピアノ編曲。やっぱりうまくいっているものも、そうでないものも。


"I can do!"どころではない。

ピアノに編曲されると、負け犬ソングが端正な仕上がりに。あれーこんな曲だったっけ。中盤以降の驚異的な手数はオリジナルにはないよ。

この人がMatt Haimovitzというチェリストと組んで出したレコードが2011年に出てまして、先日購入しました。2枚組で半分はクラッシック、半分はポピュラー・ソングのカバーという構成。


 

この二人。なんとも楽しそうな雰囲気ではないですか。自由闊達な感じ。寂しくなってきた葉加瀬太郎みたいなマットさんに好印象です。最近の楽譜はipadなんですね。
ちなみに、この"Tiny Desk Concert"というシリーズはほかのも面白かった。おすすめ。


このレコード。やっぱりうまくいっているものも、そうでないものもある(3回め)。ただ、耳を惹くフレーズはたくさんあって、クラッシック5級の僕でもけっこう楽しく聴けています。
購入の動機は、僕が愛してやまないA Perfect Circleの"3 Libras"が収められているから。
それ以外の理由はありません。
 

愛してやまないだけに、評価しづらい。
静謐かつ端正なリフレインはピアノの受け持ち。原曲より短調ぎみ、ダークな編曲。「声」たるチェロが瑞々しさが、この重たさを切り裂くような印象。

オリジナルがかっちりした構成で、そもそもストリングスの入った曲なので、あんまり違和感はありません。ピアノが土台を提供しているので、あとは「声」がちゃあんと乗っかっていけそう。
ポピュラー音楽ってミックスの際に、コンプレッサーとリミッターを効かせているから、最大音量と最小音量の差が小さいですよね。メタルなんて最たるものです。
しばしばクラッシックのレコードを聴いていると(そして入眠していると)突然叩き起こされます。
このカバーも盛り上がるところで突然音量が上がる。でもそれが、淡い色あいだったものが突然豊かな色彩を帯び始めたように思えて、はっとする。


僕はたぶん100万回くらいこの曲を聴いていて、メイナードの節回しとか全部頭に入っている。チェリストのマットさんが原曲を損なわず、かつオリジナリティを、と頭を悩ませたのが手に取るようにわかる。それでもマットさんのフレージングは、メイナードの歌の「間」に基本的にはとても忠実。
オリジナルに忠実であることが正しいことなのか、違和感を生む原因になのか、この場合はよくわからないな。


この曲を初めて聴いた人は、どんな感想を持つんだろう。
最後のわっ、という盛り上がりは、どんな風に聴こえるんだろうな。