Mìと呼ばれ、つまりはラーメンである。
朝食どき、そう朝六時とか、めしやでMìをすすっている老若男女は引きを切らない。
あんたらPhỏを食え、と言ってやりたい気もするが、毎日米麺では飽きるような気もするし、そもそも Phỏは北部の食べ物である。
まあ、どっちでもいいな。
ところがこの夏、ベトナムには黒船・NISSINが襲来した。
なんとノンフライ麺で殴りこみをかけるという歴史的な暴挙に踊り出たのである。
こちらの麺はフライ麺で、くっさいのが多い。使っている油のせいなんだろう。
NISSINの卓越したコシのある製麺技術、そして繊細なスープの味はベトナムっ子のハートをがっちり掴んだ。ここ、辺境カマウでもNISSINが買えるほどである。
ちょっと茹でててもなかなかほぐれないけれど。
それに対して迎え撃つは、ビナ・エースコック。長年ベトナムに根を下ろしてきたベトナムNo.1ラーメンメーカーの矜持がある。築き上げた牙城を守るべく、なんとこちらもノンフライ麺を投入するというNISSINの向こうを張る方策に出た。
時はまさにノンフライ戦国時代である。
にしてもビナのMikochiって名前は一体、なんなんだ。
小生、さっそくその完成度を探るため試食す。ビナ・エースコックのほうが細麺でNISSINよりほぐれやすい。細いのにコシもあって、さすがはビナである。
一方スープの完成度は、NISSINに軍配である。これはうまい。日本で食べられるようなスープをベースにして、ベトナム童が大好きな甘めの味付けにしてある辺りも、研究を重ねた跡が見受けられる。こちらもさすがである。
小生としては、別にノンフライにこだわらなくていいので、黙ってカップヌードルシーフード味を出してくれればいいのに、NISSINさん、と思ったりしている。
植林から帰って、のどが渇いてちょっとさぼる。7upで休憩する。
ベトナム語で7はbảyというので、バイナップ、と発音するとこいつが出てくる。
ふと見ると、ハワイの文字。バイナップ飲んでハワイいこー、である。
南国から南国にいってどうする、と思わないこともない。