なにをあたりまえのことを、という感もあるのだが。
Certification incentives for reducing illegal logging in Brazil may miss thier mark 27.1.2015 CIFOR
ブラジルのお話。詳細はグーグルさんに翻訳してもらってください。
要約するとこんな感じかな。しすぎか。
認証林から生産された木材は認証材工場と繋がることによって、はじめて認証材という製品になり、付加価値がつく。
そんなのの前に、木材は性質上でかくて重くて安いので、ロットの調達が死活的に重要な商品だ。だから小規模所有者はそもそもロットの調達ができないのだから、森林認証に興味を示さないのは当たり前。せいぜい裏山の木を伐って地元の市場に持っていく程度だ。
たぶん認証材市場は国際的に成長してる。EUみたいに認証がないと参入できないようにしているところもあるくらいで。でも森林認証の本当の目的は「違法伐採材の流通を防ぐことによる森林劣化の抑止」であったはずで、森林劣化が抑止されてこそ、よかったね、と言えるはず。でもそれがうまくいってない。
で、この記事。アマゾンの森林減少の一番の原因は牧場化と農地化なんだぜ、どんがらがっしゃんな論立て。やっぱポリシーミックスが大事だよね(はぁと)。そんな結び。
ほんとそうですね。
なにも森林認証制度だけで頑張らなくともいいわけで、そこはいろいろとやっていけばいい。それにしても単一の認証制度が様々な国で取得され、認証林面積が伸びているのは、すさまじい普遍性/十全性を有していたのだな、と感嘆する。
Global SFC certificates : type and distribution November 2014 FSC
79カ国、18,300万ha。恐ろしい広がりじゃないですか。制度設計の勝利。
ただこれらのほとんどは大規模な所有者だ、ということなんだけれども。
小規模所有者には森林認証が向かないのは日本も同じだ。認証を取得するのにお金がかかる以上、取得費用以上のメリットがないといけない。
そして山林を有価物として管理しようと思わない者には、認証制度にはメリットがない。中間業者たる森林組合だってせいぜいローカルマーケットを分掌するくらいだし、彼らの多くはそもそも所有者ではないから、結論としては同じだろう。
国内における、10年くらい前に話題になった木材の合法性に関する議論はつまるところ、輸入材の合法性が問われた「だけ」だった。日本には合法材も違法材も入ってくる。合法材だけの市場をつくろうとする。では国産材は全て合法なのか。という話。
森林法に基づいた手続きをなされていれば、全部合法だろ、というやや乱暴な結論に至った(と記憶している)けれど、そもそも違法伐採による深刻な被害はこの国ではないから、そういう玉虫色の結論になってしまったのだろう。玉虫色にしてしまったから、国内には認証サプライチェーンはほとんど育っていない。
EUでも森林国のスウェーデンやフィンラインドはやり方の違いこそあれ、ほぼすべての森林を認証林に変えてしまったし、製材工場も認証を取得している。
そこまで突っ込んだ措置が取れなかったのは、そこまでする気概がなかったし、そもそも必要ないだろう、という判断があったはずだ。彼我の方向性と射程の違いがいちいち気にかかる。
どちらがいいのかはわからない。
林業関係者としてはヨーロッパうらやましー、と思うけど。
むしろ今後は、現在の日本の玉虫色の施策から、どのように(環境に配慮しつつ)林業生産を増やすかがヒップな話題になるんじゃないでしょうか。もちろんうまくいけば、だけれど。小規模所有者の多い途上国ってすごく多い気がするし、そもそも森林認証の限界を示す記事でもあったわけで。
認証林の面積は着実に増えている、でも認証の数は思ったほど増えない。これがキーワード。逆に手を広げるほど「希少価値」が薄れてビジネスとしてのうまみが消えていくだろう。そもそもFSCはあまねく林を認証林にしたいんだろうか、とふと疑問に思う。
いずれにせよ、様子が変わるとすれば、日本が本格的に木材輸出を始めるとき、もしくは日本の森林の所有構造が変わるときのどちらか、なのだろうな。
Certification incentives for reducing illegal logging in Brazil may miss thier mark 27.1.2015 CIFOR
ブラジルのお話。詳細はグーグルさんに翻訳してもらってください。
大多数の小規模森林所有者はサプライチェーンと繋がっていないため、森林認証を持つインセンティブがない。
森林認証は輸入を目的とした木材に偏りがちである一方で、小規模所有者は国内市場、あるいはもっとローカルな市場を相手にしている。だから認証は森林減少を食い止める有効なツールとなっていない。
要約するとこんな感じかな。しすぎか。
認証林から生産された木材は認証材工場と繋がることによって、はじめて認証材という製品になり、付加価値がつく。
そんなのの前に、木材は性質上でかくて重くて安いので、ロットの調達が死活的に重要な商品だ。だから小規模所有者はそもそもロットの調達ができないのだから、森林認証に興味を示さないのは当たり前。せいぜい裏山の木を伐って地元の市場に持っていく程度だ。
たぶん認証材市場は国際的に成長してる。EUみたいに認証がないと参入できないようにしているところもあるくらいで。でも森林認証の本当の目的は「違法伐採材の流通を防ぐことによる森林劣化の抑止」であったはずで、森林劣化が抑止されてこそ、よかったね、と言えるはず。でもそれがうまくいってない。
で、この記事。アマゾンの森林減少の一番の原因は牧場化と農地化なんだぜ、どんがらがっしゃんな論立て。やっぱポリシーミックスが大事だよね(はぁと)。そんな結び。
ほんとそうですね。
なにも森林認証制度だけで頑張らなくともいいわけで、そこはいろいろとやっていけばいい。それにしても単一の認証制度が様々な国で取得され、認証林面積が伸びているのは、すさまじい普遍性/十全性を有していたのだな、と感嘆する。
Global SFC certificates : type and distribution November 2014 FSC
79カ国、18,300万ha。恐ろしい広がりじゃないですか。制度設計の勝利。
ただこれらのほとんどは大規模な所有者だ、ということなんだけれども。
小規模所有者には森林認証が向かないのは日本も同じだ。認証を取得するのにお金がかかる以上、取得費用以上のメリットがないといけない。
そして山林を有価物として管理しようと思わない者には、認証制度にはメリットがない。中間業者たる森林組合だってせいぜいローカルマーケットを分掌するくらいだし、彼らの多くはそもそも所有者ではないから、結論としては同じだろう。
国内における、10年くらい前に話題になった木材の合法性に関する議論はつまるところ、輸入材の合法性が問われた「だけ」だった。日本には合法材も違法材も入ってくる。合法材だけの市場をつくろうとする。では国産材は全て合法なのか。という話。
森林法に基づいた手続きをなされていれば、全部合法だろ、というやや乱暴な結論に至った(と記憶している)けれど、そもそも違法伐採による深刻な被害はこの国ではないから、そういう玉虫色の結論になってしまったのだろう。玉虫色にしてしまったから、国内には認証サプライチェーンはほとんど育っていない。
EUでも森林国のスウェーデンやフィンラインドはやり方の違いこそあれ、ほぼすべての森林を認証林に変えてしまったし、製材工場も認証を取得している。
そこまで突っ込んだ措置が取れなかったのは、そこまでする気概がなかったし、そもそも必要ないだろう、という判断があったはずだ。彼我の方向性と射程の違いがいちいち気にかかる。
どちらがいいのかはわからない。
林業関係者としてはヨーロッパうらやましー、と思うけど。
むしろ今後は、現在の日本の玉虫色の施策から、どのように(環境に配慮しつつ)林業生産を増やすかがヒップな話題になるんじゃないでしょうか。もちろんうまくいけば、だけれど。小規模所有者の多い途上国ってすごく多い気がするし、そもそも森林認証の限界を示す記事でもあったわけで。
認証林の面積は着実に増えている、でも認証の数は思ったほど増えない。これがキーワード。逆に手を広げるほど「希少価値」が薄れてビジネスとしてのうまみが消えていくだろう。そもそもFSCはあまねく林を認証林にしたいんだろうか、とふと疑問に思う。
いずれにせよ、様子が変わるとすれば、日本が本格的に木材輸出を始めるとき、もしくは日本の森林の所有構造が変わるときのどちらか、なのだろうな。