2016年5月26日木曜日

「おつかれさま」一択説の開陳

そういう年頃になっています。

知人が憤慨しておりました。子どもを預けている保育園の先生が「ごくろうさまです」って挨拶するんだよ、と。
おたくさまの豚児を預かってあげている先生はまさに「おつかれさま」である、そして先生の「ごくろうさま」は適当である、そう腹の中では思っていますが、もちろんおくびにも出しません。




以前、タモリが最近の若い者の「おつかれさま」と「ごくろうさま」の使い方が逆だ、と言っていて、少し話題上った記憶があります。
ちなみに僕が知っているのは、「おつかれさま」は目上、「ごくろうさま」は目下のひとに使う使い方。ググると世間的にはこれが多いようですが、タモリは逆だと言っていました。ちなみに人生で同じことを言っているおじさんにも一名ほどであったことがあります。

はてさて、どっちなのでしょう。
まあ、別にどっちでもいいです。たしかに若者に「ごくろうさん」と言われるとちょっと腹が立つくらいの老害ではあるのですが。


どちらにしても、相手の骨折りを労う言葉であるわけです。ちなみに僕は、年齢に関係なく「おつかれさま」しか使わない。仮に年下であっても「丁寧に、へりくだっている」という様態が示せるからいいではないか。やや場当たり的ですが。

特にビジネス上では、彼我の年齢はわかりません。若く見える人もいるし、老けて見える人もいる。一方で仕事柄、甲乙の関係で「へりくだられている」印象をしばしば感じていました。今では甲乙なんていわなくて、発注者と受注者の間柄なんだけれども、どうもそういう雰囲気は少しばかり残る。そうはいっても現場のおっちゃんは総じて僕よりも年上だ。

であれば、彼らに負けないくらい、それこそ頭が地面にめり込ませ、バックホウで掘削してもらわんと掘り当てられないくらい、派手にへりくだればいいのではないか。
これがね、意外といい感じだったんですよ。工事って結局チームワークじゃないですか。そんな「徹底的に頭が低い戦略」を編み出したのが26歳の頃だったので、10年を過ぎて習い性として残ってしまいます。

そんなことで、この10年、僕はほとんど「ごくろうさま」という言葉を使ってない。なにか問題があるかといえば、ないな。ない。


タモリの言っていることが本当なのかどうなのか、僕はよくわかりません。ただ、一般的なビジネス用語として使い分けがなされているのであれば、それに従うべきです。なぜなら、もっともそれらしい用例を用いたほうが、もっとも相手にいい印象を与える可能性が高いからです。
この際、言葉の用例の正しさなんて、どうでもよい、とすら言えるかもしれない。


そんなことで、2つの言葉の使い分けを悩むくらいだったら、みんな謙譲語で話し合えばよいのではないか、と思うのです。今どき殿なんていないし、「苦労、」と声掛けする相手なんて、そもそもいないんだから。