2018年2月18日日曜日

2017-18冬的音拾遺集

なんだか忙しくて若干ウツです。
タバコは無事止められて、チャンピックスも卒業した。ほんとに忙しくて死んでる人よりも全然働いてないですけども、仕事は嫌いです。
雪も多くて走れないし、ストレスがたまる。
ということで、ヘッドフォンが手放せません。


個人的なルールとして、記憶媒体に収録されたものを「レコード」と呼ぶ。CDだろうが、MP3だろうがレコードはレコード。「シングル」「アルバム」の別は従前どおり。
媒体は変われどレコードは昔から聴いている。
アルバム単位で聴く機会は減った。気に入ったものを繰り返し聴く。それはそれで時間がないから、仕方がない。
レーティングをつけるのは昔にはなかった習慣だ。気に入ったものに目印をつける。

次にこの曲を聴く機会は、もうないのかもしれない。最近、本当にそう思うようになった。

いい曲はあれど、通して聴くとダレる。そういうアルバムは昔からあった。
でもだいたいが、アルバム通しの良し悪しで印象は決まってしまい、もう一度聴くか聴かないかも決まってしまう。だから、「輝ける曲」はしばしば埋もれる。
2017年はこんな音楽を聴いていたよ
こんなことは昔はあり得なかった。
すべてのレコードに金を払っていたから。無理やりでも聴き込み、いい曲を探した。でも、今やSpotifyユーザーとして、いっぱしのストリーミング学派を気取る私は、もはや、かつての私ではないといってよい。

そんなことで。備忘録的追加的最近聴いている曲、セレクション。
ちょっと前のものも含まれているけれどもご勘弁なすって。


"Marching To The End"   Mutemath

PLAY DEAD [CD]
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MUTEMATH
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グルーヴィで、ライブがいいバンドの典型。だった。
しかし前前作くらいからテクノ風味が強くなり。今作ではサイケっぽくもなってきた。
サイケ風味は悪くはない。けれど、さしていいとも思わない。

しかし、時おりメロディがキラリと輝く。
 
こういうのを聴いちゃうと、惜しいと思う。

Mars Voltaの晩年を思い出す。彼らはまだ現役ですかそうですか。
シフト・チェンジは、むずかしいものだ。


"Undercover Agent"   Enter Shikari

The Spark
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Enter Shikari
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Mutemath同じく風穴ボーカルを擁するバンド。
メタル?レイヴ?ニューメタル?おじさんはもうよくわからない。
ただ、いつまでも大人になりたくない高校生のような彼らの稚気を、僕は愛す。

ボーカルの咆哮はレコードを重ねる度に漸減。今作は静的だといってよい。
その代わり、普遍的なメロディへの接近が感じられる。



前作で想起したのは"Kid A"。は、ほんとうに言い過ぎだと思う。だけども、やんちゃな暴れん坊はなにかを隠しているような気がする。大化けしている最中なのか?


"Shackled"   Wauter Hamel

アモリー
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ウーター・ヘメル
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たしかオランダの産であった。
最初はジャズっぽくデビューしたけれど、最近はポップ。
ノラ・ジョーンズとかジェイミー・カラムみたいな立ち位置なのか。

彼の声はウルトラ・スウィート。
どのレコードにもいい意味で甘ったるい絶品の声が堪能できる曲が、いくつか収められている。ただ、一定しない。安定しない。

 

この曲についていえば、ジャズというよりもゴスペルです。でもいい声を堪能できる。

彼はジェイミーくらいには知られてもいい。
そんな風には思うんだ。


"Lifting You"   N.E.R.D

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今作は(今作も)悪ノリしてると思うし、あざとい。
そもそもがミクスチャーというか、ごった煮料理。なにかに偏ったとしても文句は言えまい。しかし、バンドとしてのアウトプットがほとんどヒップホップやダンスであれば、N.E.R.Dの今日的な意義は失われたのだ、と解さざるを得ない。少し悲しい。

さよならN.E.R.D。はろーあげいん、ファレル・ウィリアムス。

この人たち、たいへん狡猾です。いくらファレルがイケメンだからといって婦女子はやすやすと信用してはいけない。
メロディは完全に彼らの引き出しの一部なのだ。下手なのか上手いのかよくわからない、なんちゃってファルセットと同じで、いつでも出せる。

そのくせ、レコードに一曲は、とっておきの素敵なメロディを挟み込むのだ。

 
ずるい。こういうの。大好き。

エド・シーランがフィーチャリングとあるけれども、どこで彼が歌ってるのかよくわからないんだ。耳が悪いのかな。


"Long Way Back To The Moon"   Galactic Cowboys

Long Way Back to the Moon
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前作はずいぶん前だ。20年ぶりくらいじゃないかしら。
下手したら、前回紹介したInjectedより前だ。
君は何色が好きなの?

King'sXの兄弟バンドみたいなイメージ。
King'sXは、音質・メロディがアメリカ的に乾いていく。それはそれでいいのだけれども、彼らは90年代から変わらぬ潤いを保ち続けたし、ゴリゴリとした音像も分厚いコーラスもしっかりと残っている。


メインのボーカルがブタみたいな声で歌うのが、イラッとくる。
コーラスがキレイな分、耳障り。

このヴォーカルのせいで、ソウルフルな唯一無二の声を持つダグ・ピニックを擁するKing'sXと差が開いてしまったのかもしれないし、それが逆にこんなに久しぶりのリリースでも持ち味を見失わずにいるのかもしれないし。

僕としては、旧知に久しぶりに再開した感じだ。
やあ、元気だった?逢えて嬉しいよ。


"Still, Still, Still"  S. Carey

Hundred Acres
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S. Carey
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今週リリースだってさ。
このブログのタイトルには"Still"が含まれているのです。

 

上のアルバム。よかったらまた、レビューします。


"Sleeping Dogs"   Zakk Wylde

Grimmest Hits
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Black Label Society
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ザックの声はオジー系の声だとずっと思っていた。そして、今作のリフはいつも以上にBlack Sabbath。したがって、ひどくオジー期のBlack Sabbathです。

でも、おすすめしたいのが、昨年に出た"Book of ShadowsⅡ"。

Book of Shadows II
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Zakk Wylde
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ちなみに”Ⅰ”は96年。
青年から壮年に転身したザックが轟音から(ふたたび)距離を置き、メロディと向き合う趣き。
前作が楽曲の構成やメロディに主眼が置かれていたとすれば、今作はそんなことどうでもよくなって気持ちの赴くまま歌い、弾き倒しているザックおぢさんの姿が印象的です。
ザックは比較的オーソドックスなスタイルとされているけれど、凡百のギタリストよりもはるかにギターを走らせ・歌わせる。

 

正直曲は似たり寄ったりだし、歌が上手いわけじゃないんだけど。
1分を超えるようなソロはさっぱり飽きない。こんなに歌いたがるギターもめずらしいし、その「歌声」には、耳を傾ける価値がある。


"The Old Room"  Mike Dawes

新世紀
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マイク・ドーズ
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Metallicaの"One"をカバーしたギタリストがいると聞いて。
本当は昨年のまとめで紹介しようと思ったんだけど、聴き込みが不足していたので紹介が遅れた。

まずはだまって耳の穴をかっぽじって、目を見開いて、こちらをご覧ください。


楽しそうに弾いています。
たいへん気持ち悪いことをされています。いい意味で。
そして、メロディの豊かさが胸に沁みる。エモーショナル。

アルバム全編を通じて、ハーモニクスが随所で効果的に配されていたり、リズム、リード、ベース、パーカッション等々をすべて1人で賄おうという野心は、Michael HudgesだとかErik Mongrainだとかの系譜か。



こちら、後半でいろいろズルしているし、少しダサくもある。
でもオリジナルに忠実。もちろんすごい演奏。

1人何役もこなしているから、気持ちの悪い運指になるのはやむを得ない。
曲芸的な面白さはある。しかし音楽的に1人でやる意味があるのか、僕にはわからない。

ただし、動画を見なかったとしても、そのメロディに惹き付けられた。
テクニカルである以前に情感を大事にする奏者なのだと思う。素晴らしいギタリストを知ることができて嬉しい。


"Palace"   Sam Smith

Thrill of It All
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Sam Smith
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Air PodのCM。
もぉ、最近本当に好きです。



妄想なんですけどね。
こういう内容で男女が歌い合うんであれば、本気で愛し合っていて欲しいと思うんです。
現実世界の彼氏彼女が嫉妬するくらいに。その曲が終わるまでは。
まあ、妄想ですけども。


"Talk Talk"  A Perfect Circle

来たね。ついに。


女性的なやはらかな歌声から急転直下、獰猛なヴォーカリゼーション。
中盤、"Talk, Talk, Talk・・・"と畳み掛けるあたり、さながら荒ぶる神としてのメイナードは健在であるなと確認できました。4月にアルバム。大期待。



最近のヘッドフォンを占領している面々を思い返すと、こんな感じだろうか。
なんだかわからんけれども、拾うべきと思った音の葉は、丹念に拾っていきたいものです。