2025年12月22日月曜日

GNS3000を森林調査に使ってみる(その1)

普段は農夫ですが、時折山も歩きます。


去年までiphoneで地図を見ていて山を歩いていたわけですよ。森林調査です。
しかしもう自分、40代後半で老眼がけっこう進んでる。
あんな画面、ちっちゃくて見えないわけですよ。細かい線なんて。
そしてアホみたいにバッテリーを消費してくれます。

ということでIpadを買いました。これで解決、と思ったんだけど。IpadのwifiモデルってGPSついてないんですね。知りませんでした。
現在位置を知らせる青丸が地図アプリの中でウッフフ、アハハ、と僕を小馬鹿にするように跳ね回り、僕は非常に残念な気分になったんですよね。
Ipadを叩き割ろうかと思ったんですよね。
僕はアップル生態系の住人なので、iphoneとapplewatchを持っている。どちらもGPSが内蔵されている。しかし、Ipadはapplewatchとペアリングできず、iphoneとテザリング接続してもGPS情報は読み込めないらしい。なんで手元にすでに2つもGPSがあるのにそのデータが使えないのか。
この事実を知るに及びIpadへの殺意を覚えました。

ということで、気を取り直してGPSを購入することにした。
ここで割と苦労したんです。けっこう僕と同じような過ちを犯した迷える子羊たちが世の中にもいるのかも知れぬ、と思い今回のエントリーを認めた次第。
で、商品検索。世の中、中華製のエアタグみたいな商品が溢れかえってるから、GPS自体はもう安価でそこらじゅうに落ちている。なんか簡単に見つかりそうと思ったんだよね。

一方、僕の使用環境としてはIpad+ios(基本ソフト)+Mapry(ソフトウェア)+外部GPSロガーという感じ。
条件を考えると、BluetoothでIpadに接続して、そこそこ高精度のGPSレシーバーがほしい、という感じ。有線だとうっかりIpadからロガーに給電してしまうような気がして、それはできれば避けたい。ロガーは単体でバッテリーが入ってて長持ちするやつがいい。
あと、高精度ということではやっぱりGNSS(みちびき)みたいなのが拾えるとうれしい。
もちろんios対応じゃないと困ります。
そんな条件。

そうすると一気に幅は狭まる。画面がついてるGPSは多い。Garminをはじめとして。でもそうするとBluetoothがなかったりする。
あとそもそもこの業界、Android対応の機械が多い。なんだかAndroidで構成を組んだ方がシンプルだと思いますね。
業務用国産勢はけっこうある。RTK対応とかすごく使ってみたい。でも価格が一桁上がる。そしてサブメーターとか、僕の境界確認用務としてはオーバースペックということで見送り。


結局、ネットサーフィンした範囲ではほぼ2択しかなかった。
・GNS3000 GNS ドイツ
・GLO2 Garmin アメリカ(スイス?)
GNSは日本の販売元があったんだけど欠品。GLOは並行輸入。これはなかなか激ムズの選択肢だぜ。
と思っていたら、AmazonのGNSが在庫がなぜか戻っていたのでポチれた。2万円台後半。数年前の倍ぐらいの価格らしいけどもう気にしない。そんなこと気にしてたらこのビッグウェーブを逃してしまう。
GLOはGLONASSは対応しているけどみちびきには対応していないらしいのでそこもまあ、評価のポイントではあった。しかし平行輸入品の返品とか、想像するだけで怖すぎる。どうしようもなかったら半分賭けでGLOだっただろうな。
でも並行輸入品って、代理店さんの記載を見ると不良品だとかのクレーム期間が短い。1ヶ月あればいい感じ。数日っていうのもある。
だから届いてすぐ動作確認ができればいいけれど、これから忘新年会だとか確定申告準備だとかを控えている読者諸兄姉にすると割とハードルが高いのではないかと思う。あとで書くけれど、根気のない僕は動作確認にすごく難渋した。並行輸入って難しいと思いました。

あと、意外だったのが林内で使うGPSとしてのレビューをしている人はいなかったこと。レーサーだったりカーナビだったり、車のログを取る目的で使っている人が大半。林業の人は何使っているんだろう。たぶんIphoneだったりIpad(セルラーモデル)内蔵のGPSを使っているんですよね。くっそう。僕もそっち側の人でいたかった。


というわけで僕の元に来たGNS3000さん。まずは動作確認。

まず本機、ボタン類はスイッチ一つしかない。スイッチを入れると緑ランプが点滅。GPS測位が完了すると常灯する。Bluetoothを介したipadとの接続もスムーズ。無秩序に跳ね回っていたマップアプリの位置情報が落ち着きを見せる。

なんの問題もない。ここまではな。

続いて、マイクロSDの挿入。しかし、ここで気をつけてほしい。挿入口は恐ろしくピッタリと作ってある。僕は変なとこに入ってSDが出てこなくなった。正解はGNSを縦置きにしてまっすぐ刺す。これだ。
GNSを横にして刺すと謎のスイートスポットにきれいインサートされ、病膏肓に入り危うく不治の病になりかけた。
挿入は縦からまっすぐだ。約束だよ。

ちなみに僕の秘書AIは、それは製品仕様がクソですね、と仰っていました。本当ですよね。

あと、同封の日本語説明書の説明が違う。現行機種にはない?マークを例示して説明しているので説明書読んで軽くSAN値が上がる仕様になっています。

さらに。
お客様メールは機能していません。何回もメールしたけど返ってこない。なので購入にあたっては日本の代理店は頼りにならないとお考えください。不良品をつかまされたと思った時、頼りになるのはAmazonの返品規定です。ご購入はぜひAmazonで。

さらにさらに。
GNSのロガー機能は非常に起動しづらい。オン、オフ、オンを2秒以内に行うとされているんですが。これがわからなかった。
ロガー機能自体は別にiPad上でアプリを起動してログをとればいいので僕にとってマストな機能ではなかった。でもマイクロSD使いたいじゃないですか。mapryが落ちた時にバックアップが取れるし、せっかく入るんだから。700円も払ってマイクロSD買ったし。
ロガー機能のオンの方法は、サポートページ上で動画が公開されていて、素早くスイッチを操作している動画が公開されています。しかしあれで勘所を掴めというのはけっこう無理ゲーです。

さらにさらにさらに。
GNS機体のソフトウェアアップデートはAndroidの機体が必要らしい。HPにさらっと英語で書いてある。説明書にはその手の記載はない。
あ?と思った。apple生態系の住人の僕はどうすればいいというのだ。
温厚な僕もさすがにブチ切れた。金と時間と根気さえあればドイツに行ってこっぴどく説教してやりたい。小一時間くらいは説教してやりたい。君たちは一体何を考えているんだ。


金も時間も根気もない僕としては、こいつをロガーとしての利用は一度は諦めた。掴んだ機体はダメな子だった。悲しい。
しかし、悲しすぎたのであれこれ試してなんとかロガー機能の起動に成功。
最初からちゃんとやれや、と思った向きは完全に正しい。僕は根気がないんですよ。ダメだとすぐ人のせいにするんです。反省しました。僕が掴んだ機体は決してダメな子じゃなかった。普通の子だった。ただ、周囲に理解されないイタい子ではあるようです。
根気がない人間に根気を試してはいけない。昭和じゃないんだから。なんというか、おばあちゃんが叩くと直るテレビだとか、そういうのを思い出している。昭和です。

話を戻して。
いろいろいじった感想としては、一度オンにしてGPS測位した状態(緑ランプが常灯)からじゃないとロガー機能は有効にならない気がする。
ここ重要。テスト出るよ。誰も教えてくれないよ。
緑マークが常灯した状態でオフにする。そしてオン、オフ、オン、と素早くスイッチを操作すると、2回点滅を始める。これでロガーモードがオンになった。そして、再度測位すると緑ランプは1回点滅になる。Bluetoothは接続されていてもされてなくても関係ないらしい。


このエントリーの9割方はすでに苦情で埋め尽くされている。だから、買わないほうがいいのかといえば、そんなこともない。使用感についても書きたいんだけど、もう長くなっちゃったので稿を分ける。

買ったばっかりの機械ってすごく不安になるけど、説明は適当だけど、作り自体はしっかりしているんだと思われ、想定するほと初期不具合は起こらない、と見るべきなのかもしれません。ええ、世の中令和ですからね。
GSN3000自体もリリースから結構時間が経っている機種なので、今更GPSが機能しないとかは起こらない。はずだ。そこは最低限安心していい。そんな気がしました。


以上、細かい苦情は無数にあれど、慣れてみればいい機械です(にっこり)。
次回は使ってみての感想など書いてみる予定です。