2013年5月25日土曜日

Google earthとGPSでウミンの森林をめぐる

離日前、唯一の好プレー。カメラの購入。こいつ、なにしろ頑丈でウォータプルーフ。海水にもウミンの強酸水にも負けずに2年間頑張って働いてくれた。そしてこいつのもう一つの特徴はGPSが入っていること。今では特に珍しくもないのかな。ログを取れる。
ハンディGPSなんて買うお金ないからね。十徳ナイフみたいな扱いです。精度もそんなに高くないし。

林学にはリモートセンシングという分野がある。遠くから判断する。一般的に林は広すぎるしでかすぎるので、わかりづらいし歩くとつかれるし時間もかかる。だからなるべくオフィスで座ってラクしようぜ、というのがこの分野のもっとも的確かつ不純な説明となりましょう。
可視光線から赤外線まで、様々なツールを駆使して樹種や樹高まで写真で判断してしまおうという、ものぐさこの上ない技術分野です。僕こういうの大好きです。


学生のころ習ったリモセンといえば、飛行機飛ばして撮った空中写真で写真判読まつりとかだった。立体視ができたーだのなんだの。わりかし面白かった。今ではもちろんGISです。オルソフォトが登場してしまいもう立体視なんていらないのかしら。立体鏡とかってもうないのかしら。寄り目の訓練にもなるのに。使い道ないけど。

もっともふつうの人がよく触るGISシステムといえば、もちろんGoogle earthです。手持ちのGISなんてもちろんないので僕もこれを眺めます。
うちの会社ですらMap infoでGPSシステムを構築中なので、時代は変わったよなぁと思うわけです。オルソフォトはGoogleのを借用してry。
森林基本図と森林簿を照らしあわせて、にらめっこしていた時代はわずか10年前の話。この辺の技術の変化は早いなぁと思う。

ということで2年間、こいつをつれてバイクで駆けずり回ることになった。
駆けずり回った記録がコチラ。さっぱりわかんねぇな。
簡単に説明すると右下が省都のカマウ市、左上のぐちゃぐちゃしたあたりが僕が走り回っていたウミン郡。会社やウミンの中心部はたくさん走り回っているのでログが重なっている。

メコン・デルタ、当然まっ平ら。めじるしがない。当然、カメラは単なるカメラなのでモニターに地図が映し出されるわけではない。なんとか自力で帰って、ほう、今日はここで迷子になっておったのか、ははは。なんだ、道のすぐそばじゃないか、ははは。と確認する日々がしばらく続いた。
もちろんログはすべて老後の楽しみのためにとっておきます。


GPSをオンにしておくとバッテリーの消耗が激しいので、慣れたら使わなくなってきたけど。こんな風に道を外れて、順調に各所を彷徨っている様子が分かります。

 そして感心するのがgoogle earthのオルソフォトの精度向上。最初きたときはウミンの空中写真ってほとんどランドサットクラスの粗い写真しかなかった。いまではこのとおり。かなり分解能の高い写真が入っています。おおよその土地利用まで分かります。
そりゃ東京とか、大都会と比較したらアレですけどね。


運河に沿って家があって、その後ろが田んぼ。さらに後ろに森林がある。これがウミンの農家の標準的な土地の利用形態。お宅の林を見せて、と断って家の裏側に回って、田んぼを抜けて、林に行く。
僕がさまよった軌跡は、森林火災の時歩いたやつ。被災地を一筆書きに歩いて、後で机上で被害面積を計算したりしました。1haちょいだったかな。


こちら、運河を挟んで下がエンバンクメント未実施林、上がエンバンクメント実施林。エンバンクメントとは早い話が畝を作ってそこに植林する方法なので、整然とした林になります。あと未実施林は基本的に湿地林。運河に近い部分は森林が衰退して草地になっている(明るい緑)のと、林の内部にやっぱり樹木じゃない部分があるのが分かります。
雨期には腰ぐらいまで水に浸かる関係でどうしても生育が悪い。上からみただけでエンバンクメントすると成長よさそうだな、というのが分かります。

僕は最初にこういうことを確認しておけばよかったんじゃないか、というのは後付けですね。わかってます。



そしておまけ。離日前に僕が手がけた治山ダム2基がアップデートされてました。
Google大明神の写真の更新頻度の速さには脱帽です。様々な苦労が走馬灯のように思い出されました。大雨で仮設が流れたりとかね。ああ、なつかしい。
場所はひみちゅ。