( ・∀)人(∀・ )通報しますた!もやりたかったんだけれど、そもそもこの国の人は通報するんだろうか、と考え始めて頭が痛くなったのでやめた。
あくまでウィットの範疇であることも、念のため申し添えますよ。
ベトナムから持ち帰ったベルト。お餞別で頂きました。もらった時はすごく嬉しかったけれど、そもそもバックルってしないんだ。
もらった瞬間から割とボロボロなのは、もちろんベトナムクオリティ。
刻印されているK.L.の文字。どんな意味でしょー?
K.L.は、"Kiểm Lâm"の頭文字。
ベトナム語は漢越語(Hán Việt:ハン・ヴィエット)というものがあって、という話はもう何度もした。なんだかうまい説明はないものか、と思っていて、漢字の音読みと一緒、というのはどうだろう。試してみる。
漢字の「漢」は日本の音読みでは「カン」だけれど、ベトナム語では「ハン」
同様に「越」は日本では「エツ」で、ベトナム語では「ヴィエット」
なのでハン・ヴィエットは漢越(語)という漢字のベトナム読みなのです。
「越南」という国名は日本の音読みでは「エツ・ナン」でベトナム語では「ヴィエット・ナーム」というぐあい。漢字起源のベトナム語ということですね。
やっぱりなんだかうまく説明できないな。。。
話は戻って Kiểm Lâm。キエム・ラムと読みまして、やっぱり漢字があります。「検・林」です。なんと森林警察のことを指します。
僕のいた林業公社はカマウ省人民委員会農業農村開発局(≒県の農林部)の下部機関。キエム・ラムもやっぱり開発局の下部機関で、一種の行政警察ですね。僕から見たウミンでの彼らの仕事は森林パトロール。船とバイクで見回りをして、喉が渇くとおっちゃんたちは公社に遊びに来て、コーヒー飲んでひとしきり喋って帰っていきます。
ちなみにベトナムのおまわりさんはCông an(コン・アン:公安)とか Cánh sát(カン・サッ:監察)と呼ばれる。市民からの評判は非常に悪い。
日本だと公安と監察は警察とは意味が違う。その辺どうなんだろうといろんな人に聞いてみたけど、あんまり違いはないみたいだ。僕がよくわかってないだけかもしれない。
日本で警察といえばほとんど司法警察、いわゆるおまわりさんのことになってしまって、行政警察ってあんまりない。海上保安庁とか?旧憲法の森林法では森林警察制度ってやっぱりあったんですよ。山林が財産だった時代の産物だ。
バーベキュー不始末で山火事=森林法違反容疑で会社員を逮捕ー兵庫県警 12.5.2014 ウォール・ストリート・ジャーナル
何が新鮮ってね。そりゃ森林法違反ってとこですよ。森・林・法。ほおお、と思った。
僕が働き始めてから森林法違反で取り締まられた事例は1件しかしらない。実際にはこまごまあると思うんだけど。秋田かどっかで、国有林をずいぶん(尾根ひとつぶんほど)余計に伐った業者が検挙とか。
きっと都人からすれば、うっかりひとやま間違えた、みたいな朴訥とした口上はいとおかし。思わず東山に遊び、広がる新緑の木々を仰ぎたくなる気持ちにさせてくれるはずです。
悪質だったんでしょうね。いずれにしても実数は少ないと思うんだ。
そして「たかが」森林法違反でおまわりさんが出張るんだな、というところも興味深い。逮捕、ってすげぇ。刑法と道交法でしか彼らは動かないと思ってた。
犯人の身元が分かってれば失火なんて逃亡の可能性が少ない気がするんだけどね。逮捕する必要があった、ってことなんでしょうね。
失火は50万以下の罰金だそうで。放火と違って懲役メニューはないのだね。
こんなの後で起訴すればいいじゃん、と思うんだけれど、やっぱり70 haとか焼いてしまったり高速止めちゃったせいなんだろうか。
実際山火事なんて結構起こっていて、でも森林法上の失火でいちいちしょっぴいていたら、結構な数の田畑に火入した、うっかりじいちゃんやうっかりばあちゃんがヒットしてしまうはずだ。
まあ、なんだ。その辺は「弾力的な運用」がされているってことなんだろう。
そんなことで、やっぱ逮捕って大げさすぎやしないか。
ちなみにベトナムのキエム・ラムさんたちは逮捕もします。保全地域のマングローブを黙って伐った(で炭にして売った)とか。こちらも事例はあんまりなかったね。
実際には森林火災の予防と消火の仕事が大半。行政と警察と消防を兼ね合わせる、なんだかスーパーパワーのような、そうでないような。
役割分担がいまいち明確ではない(消防はうちだってやるからね)、というところも印象的だったなぁ。なんかわからんけどみんなでやろう、みたいな。