2010年8月23日月曜日

フジフリカエリ10


天日干ししっぱなしの寝袋をしまう。ようやくフジ終了ということで。
また僕の車には第1駐車場の入場券が乗ってるけどね。残り香。

昨年は酷い雨だったけど、今年もフラれちゃった。
昨年豪雨で通行止めとなった、ホワイトステージへ至る仮橋は盛土して高くなっていた。盛土周囲はトンパックで補強し躯体は鋼板。仮設工というよりは本設。僕の現場ではまずできない。お金ないもん。
いい仕事してるね。でも高いぜこれ、という土木トークをいっこ主任と。
グリーンステージにクラッシャーランt20で敷いたらもっといいと思う。ちゃんと保安林の作業許可を提出いただいているとの掲示があったので、こちらも安心してモッシュできるというものです。


以下順不同

○them crooked vultures
デイヴ・グロールのドラム。
キットを「ぶっ叩いている」感じが非常に心地良い。繰り出されるアタック音は、今回聞いた中でダントツでかい。にしてもデイヴ先生。リストの強さというか出音の大きさが規格外。よくあれでバックコーラスとれますね。

兄さんからもらったレコードを聞いてみると、そこまでデイヴのドラミングは印象に残らない。とはいえタイトだしScumbag bluesのスネアの音は凄い。
けれどライブを見てないとそうは思わないだろうな。ジョシュ・オムのVoよりもデイヴのコーラスの方が声がクリアでして、そこはさすがのフーファイなわけだな。
フーファイでもデイヴが叩いてデイブが歌えばもっと説得力が出るかも。

もう日本に来る機会はないと思われる(観光ならあるか)
御大ジョン・ポール・ジョーンズもさすがの演奏を披露。見かけは老夫。ベースを下げると伝説の男。キーボードを弾く姿はやっぱり老夫。
こちらはレコードでこそ、強くつえっぺりんを感じるのです。非常に豊かなベースラインで楽しませてもらいました。いいかげん再結成しちゃえよ。


○atoms for peace
フリーのせいでファンキーになってしまったこのバンド。the eraser という繊細で複雑なレコードに肉付けがされた印象。血の通った演奏、これが本当の姿、なのか。
とはいえ、レコードにはまるで精細な静物画を思わせる冷たくて、鋭く切り取られたような風景が収められていて、それはそれで圧巻であると思うんだけど。

分かる部分と分からない部分で揺れながらみた今回のステージ。個人的に正直Radiohead は時に不快だ。理解できない部分が多い。聞いててイライラしていることもある。理解できる部分は共有できる部分なのか。あるいはセルアウトされている部分なのか。

僕は退屈している時間はあっても、飽きている時間はない。
打ち込みの鎧を脱いで剥き出しになった”video tape”を聴いて、確かでやわらかな
質感を感じることができた。とにかくトムは子どもみたいに楽しそうだった。
僕が40歳になったときにこんなに楽しそうにしていられるといいと思う。


○Jamie Cullum
彼のHigh and dryが聞きたかったんですよ。ああ、聞けてよかった。twenty somethingも聞きたかったんだけど、聞けて嬉しかったけど、もう僕はtwenty somethingではないから。
土曜はいろいろあって、やっと行動開始が午後4時。日中の強い日差しが陰りはじめた時間帯にジェイミー登場。ジャズピアニストとしての彼は、非常に現代なプレイヤーに映る。
ビル・エヴァンス以降のひとつの潮流。ダークなフレージング云々。

が、ロックの耳で考えると、彼のフレージングは単にギターのリフなのだ。すごくいい意味で。職業ジャズピアニスト/シンガーは単なるロック大好き少年 でした。

ピアニストとしてのテクニックはもちろん凄まじいし、歌もうまい。終始無邪気でうれしそうな表情に婦女子はイチコロだろう。なにより本人の満面の笑み。ステージを全力で楽しんでいたので、こちらももちろん楽しかった。
もうちょっとやるぞーの(本人志願の)アンコールも素敵。踊りながら陽光を受けて飲むビールは格別に美味しかったよ。




○Local Natives
ライブバンド。
Voがフレディに似ているという話をしていて(口ひげね)、聴いてるとほんとにフレディの声に似ているような気がしてくるから不思議。あとでレコードを買ったけれど、レコードからは ライブでこんなに複雑なことをしているのは伺い知れない。
正直あんまりレコードの音も良くない。分離が悪い。

来年のアースセレブレーションで鼓童と共演したらいい。キレがあってボトムがしっかりしているライブで見てよかった。頻繁過ぎるパートチェンジ、太鼓たたきすぎ、4声ハーモニーをつけすぎ。

でも”Shape shifter”は佳曲。すごく練られている。激賞。
曲調は明るくないのに、なんか励まされている気がするな。


○Bell and Sebastian
申し訳ないが初見かつ初聴。
ベルはおそらくあのグラマラスな彼女であるとして、セバスチャンはどっちだい?あ、バンドなんですねというレクを受ける。Peace for atomsで個人的にはお腹いっぱいになっていて、
後は流しちゃってもと思いながら、なんとなくビール片手にホワイトに。予想以上に楽しめた。あんにゅい。いとろうたげ。そんな感じ。何かを思い出しそうな、かわいいメロディ。
Get me away here, I'm dying が僕は好きです。かわいい。2Dからもらったデータが多すぎて探すのに苦労しちゃった。曲調からは信じられない、このタイトル。



今年も楽しかった。
なんか僕らの周囲にいる人たちはいい雰囲気です。
ずっと前から知っている人も、初めてお会いする人も、
なぜか兄妹が揃うのも、全部が面白かった。
誕生日お祝いしてもらってとってもうれしかった。
ジャンパンとケーキありがとう。
なぜかホチキスをもらったのもうれしかった。
みんなでげはげは笑っている雰囲気が、僕はなんだかとっても大事です。
あそんでくれたみんな、ありがとう。

僕は来年行けるのかな。まだわからないけれど、
いつかのフジロックでまた会いましょう。