2011年6月16日木曜日

池上へ




この5月から6月の東京は素敵な時期だ。
木々は雨を吸込み、勢いを増していき。
東京が一瞬、緑に飲まれそうになる時期だ。

池上はずいぶんネコが多い街で、歩いていると楽しい。
オマエなんぞしらぬ、という風情ですりすり寄ってくるのは
なんとも愛らしい。



キャスターが手に入らなかったので
マイルドセブンを墓前へ。そしてもう一本、火をつける。
しばし、静かな時間を過ごす。
祖父が愛用していた革のシガレットケース。
中身の銘柄はなんだったんだろう?
紫煙をむこう、濃くなってきた若葉の青が妙に目に鮮やかだ。



解釈の都合が良すぎる僕は、祖母の退出すら祖母らしさを感じてしまう。
抜かりがないところが、実に彼女らしい。
しっかりと着物を着こなして、台所に立っていた彼女の印象。
なんでばあちゃんちは白味噌のお味噌汁だったんだろう。


20年ぶりくらいに揃った二人から、じゃあね、と言われているように。
じゃあね、と僕も言いかえす。