2011年7月8日金曜日

スコールがふる。

ホーチミンに来て一週間。

だいたい毎日ふる。

「バケツをひっくり返したような」という形容詞は
昔から耳にしたことはあって、
へへ、また大げさな、と思っていた節もあって。
本当に降るんだね。バケツをひっくり返したようなやつが。

時間雨量にして30〜40mmといったところだろうか。
瞬間的には50mmを超えている、と見える。
昨年、僕の現場が押し流された忌まわしき思い出が。

語学の授業の直前にスコール、濡れそぼって教室にはいると
先生もmôt chút!と。
バイク通勤されているためやはりびしょびしょになったみたい。
乾くまで待った。それはこちらも同じなので別にいい。


路上飲食がとてもお好きなお国柄なせいか、
ベトナムの人は食べ残しを路上にぽい、と捨てる。
スコールが、それを洗い流していく。
偉大なるお片づけシステムの一部として機能しているよう。
洗い流し、浄化する雨。

スコールのないハノイと一番違うことかもしれない。


雨が降って、軒先で
ぼんやりと食べさしのおわんを片手に空を見上げるおばあちゃんや
しかたねぇ、とハンモックでぶらんぶらんしているおじちゃん。
なんだかおてんとさまに寄りかかっているみたいに見える。
ハノイとはずいぶん印象が違う。


その寄りかかりっぷりは
親の腕の中でぐっすり眠り込んでいる子どもみたいに、
正体がなくって、なんだか無邪気だ。