2014年1月7日火曜日

Dream theaterさんのDream Theaterが存外良かった

セルフタイトルですよ。ここにきて。3ヶ月くらい前ですけど。

Dream Theater
Dream Theater
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Dream Theater
Roadrunner Records (2013-09-24)
売り上げランキング: 1,075

いつもどおりyoutubeでビデオを貼り付けようとしたら、拒否されました。いっさいDream Theaterさんたちからリベートを受け取っていない状況においてこの仕打ち。まるで僕が悪用しようとしているみたいじゃないか。なので新曲たちはyoutubeで直接聴いてね。

これは、ひさびさの快作ではなかろうか。




前作の"The Dramatic Turn of Events"からマイク・ポートノイからマイク・マンジーニにドラムが変わったわけです。チキチキオーディション大会の模様は下を参照。同じ曲でもみんな叩き方が違うのね。面白い。




今作を一聴して気になったのはやはりドラム。交代直後の前作よりも。"Awake"以降のポートノイは、スネアの高い音が特徴的な生っぽい音作りだったけれど、今作はずいぶん硬い。長年プロデューサー・エンジニアを務めたケヴィン・シャーリーの影響力を脱したのか。なんだか"Images and Words"の時代の音みたい。

モダン・ヘヴィネスどころかヒップホップにさえぐいぐい接近してしまう最近の作風は、ポートノイによる所が大きかったんですね。裏返せば、それだけ彼は貪欲にインプット/アウトプットを繰り返していた証左でもあるんだろうな。そういったポートノイに依る部分がわりときれいに消えてしまったように思える。
ポートノイのフィルインやタメが好きだったな。もちろんバークリーで教鞭を取っていたマンジーニさんがへたくっそなはずもなく、スタイルの違いなんでしょうね。ストレートなドラミングに聴こえます。

そういった硬質なドラムや、重たいリフじゃなくてズクズクいってるギターの音もオーセンティックなメタル・レコードを強く印象づける方向に作用しています。生っぽさが退いた分だけキーボードをはじめとした空間を埋めるような色付けが容易になったのかもしれないな。
生っぽさやヘヴィネス、メロディ、さらには語られる物語が絶妙なバランスで結実したのが"Scenes from a memory"だったと思うんですが。
Metropolis Part 2: Scenes from a Memory
Dream Theater
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いくらか音圧が下がったおかげなのか、叙情性が前景に出ているのも本作の特徴。ジェームズ・ラブリエのしっとりとした声が堪能できる。
ハイトーンや歪ませた声もユニークだけれど、中音域でささやくように優しく歌うパートこそ彼の声がもっとも際立つ瞬間。"Bigger Picture"はパワーバラードといって差し支えない曲調。冒頭のメロディラインはとても美しいし、繊細な声を楽しむことができる。まったく非凡な歌い手だ。顔は片岡鶴太郎なのに。
うるさい中だと道路工事中の箸休めみたいな役回りになってしまって、それはそれで印象的なんだけれど、もう少し鶴太郎の歌は前に出てもいい。

いっそJourneyみたいな曲をやればいい、とよく思うんだけれど不思議とソロでもプログレッシヴな曲が多いのが不本意。好きなんでしょうな。得意の長尺の曲ではなくて、比較的コンパクトにまとめられているのも集中力が衰えた僕としては好感が持てました。
最高傑作やーとは言わないけれど、割と楽しく聴けました。


そしてポートノイの行方も気になります。A7FをクビになったりThe Winery Dogs"でシンプルにドラムの人と化していましたが、本来Dream Theaterのリーダーであった人です。追い出されたけど。ここで消えるはずがなかろう。
一昨年ひっそりと地味な名手たちを招集して"Flying Colors"というおっさんバンドを組んでいました。スティーブ・モーズなんて、でぃーぷぱーぷるのひとだろ。
これがまたよかった。

 

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Megaforce (2012-03-27)
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ハードロック。
DTから離れて、むしろシンプルな演奏やメロディを重視しているよう。腱鞘炎のせいかもしれんけれど、僕は好きだなあ、と思いながら聴いています。

むしろここにジェイムズが入ればいいんじゃねえの。