2014年1月5日日曜日

フィールドを再訪する

あけまして。ことしもよろしくおねがいします。
年末から東京に戻ってひさびさに天気のいい日々を堪能して、再び日本海側に。
おひさまって大事だぜ。



そんなことで新年早々、フィールドに出かけた。たくさん話もした。
まじまじと見て回るのは10年ぶり。ああ、そんなに経ってしまったのか。



話をしていて感じたのは、「具体的な話」の広がりのなさ。そりゃそうだ。なにしろ具体的なんだから。これはネコです、とか。
明晰だけど、それだけの話になってしまうよな。


本来「具体的な話」の前に、何ごとかが話されるべきなのだ。なぜ突然、ネコの話なのか。
何がしたいの?は、悪い質問だ。話が面白くなくなる。我慢するようにはしているつもりで、よくしてしまう。これはいかんな。そんな反省をする。

あとはじっくり聞くのと結論を下すのが苦手。沈黙や空間が怖いから、火を着けて回って煙を充満させるのだ。もうもうたる煙で一同、目をしばしばさせているくらいで、ようやく本日の職務を終えた達成感が沸き上がってくる。
たとえばなしですからね。
たぶん、本気で相手の意見を聞くのが怖いのだ。僕に意見をする場合、さるぐつわを噛ませたのち高手小手に縛り上げるのがいいんじゃないかな。


具体的な話はつまらない。大風呂敷を広げるとうさんくさい。確かな手触りの、芳醇な会話を。噺家になるつもりもないですけれど。
なんだかあまりに楽しい会話だったので反省くらいはしておくこととする。


そこにある田んぼや建物はあまりにもリアルで存在感がありすぎて、大風呂敷を広げるネタにするのにもいささか重い。
主なき建物はキリリと冷え込んだ乾いた空気のなか、冬の光を受けて静かに佇んでいた。
そしてここに再び活気が戻る風景を、ちょっと想像してみもする。