ラムドン省バオロックはコーヒーの街。ここに住む知人が、ちょうどいまがコーヒーの収穫時期だよ、と教えてくれた。バオロックはホーチミンからバスで北へ6時間。標高が1,000mくらいあって涼しい。
この農家さんは16haのコーヒー園を所有しているという。山一面コーヒーの木。壮観だわ。お家におじゃまさせてもらったら、けっこう裕福そうなきれいなお家。すくなくともウミンとは全然違う。なんつーか、実業がしっかりあるというのはいいことですね。
ベトナムで生産されているコーヒーはロブスタ種だ。日本とかでよく飲まれているのはアラビカ種。「香りのアラビカ、コクのロブスタ」と呼ばれる。と、僕のベトナム語の先生がおっしゃっていた。
個人的には苦味が強くて味わいが深いコーヒーだと思う。アラビカのコーヒーは香りの押しが強くってあんまり飲み過ぎると匂いでうんざりすることがある。ロブスタはあんまりそれがない。そんな飲むなという話。ロブスタもおいしいコーヒーだ。
ちなみにウミンのコーヒーは豆かすのような低質な豆にバターとかを入れてで焙煎してしまうのでうまくない。
左がロブスタの実で右がアラビカの実。どちらも甘い。食べ比べると、ロブスタの実はエグくてアラビカの方が食べやすい。でも見た目がきれいね。
収穫した実を乾燥させる。コーヒー豆は実に用はない。乾燥させて種を取り出す。時期になるとバオロックの街は足の踏み場もないくらい、乾燥中の豆で溢れるそう。
豆を実から取り出すと、今度は豆を乾燥させる。乾燥が終わった豆は白っぽい。
こんな感じでできあがり。焙煎して黒っぽい豆の色になる。
キロ4万VND(約200円)で取引されるが、焙煎すると100g4万VNDになるという。どこでも中間業者が搾取しているんだな、困ったことだね、という話をした。
そしてダラットへ。ダラットは同じくラムドン省にあり、バオロックからバスでさらに北へ2時間。もともとフランス領だったころの避暑地として栄えたという。なんつーか、軽井沢だわ、ここ。と思った。
なんだか空が近い感じがする。
バオロックから標高はさらに上がり、1,500mの高原地帯となる。日差しは強いが湿度は低く、さらに涼しい。というより夜は寒い。ダラットは花の栽培が盛んだ。
市場に行けば花がたくさん売られているし、野には花が満ちている。あ、なんだか秋だな。と今年で初めて感じることができた。
ダラット駅にいってきた。フランス植民地下の時代につくられたそうで、古ぼけていて、小さくて可愛い駅だった。観光用に汽車を走らせているほか、一日に何本かはハノイ行きの列車が出ているようだ。
スペル間違えてんじゃねーよ、とまじめに思ったが、そう、ここは昔フランスだったんだった。第二外国語はドイツ語だったんです。すいません。
街の周囲の山はマツ林で覆われている。山が久しぶりなのもあるけれど、マツって久しぶりにみたなぁと思う。バオロックはコーヒー畑ばっかりだったしな。ここで林業したらいいじゃん、と個人的には思うんだけど。ダメなんだろうか。
青空が印象的だった。なんども空を見上げた。写真も空のばっかり。
ちょうど雨期が終わったあとだったらしく、タイミングがよかった。カマウで見上げる熱帯の青空とはまた違う、抜けるような青空を久しぶりにみた。
ただ、熱帯慣れした僕には少しばかり寒すぎる。
日本帰れんのか、という心配がよぎりもする。