2013年5月12日日曜日

Doug Pinnickさん、老体にムチ打つ/アスターの花言葉

老体といっても、だ。


おまわりさん、このひとです。



 1950年生まれとのことですから、御年63歳。ついに世の六十代はここまで来たか。
このPVみて、とりあえず筋トレしたよね。なんだかわかんないけど。
よし、こういうおとなを目指そう。気を抜くと上半身裸、みたいな。周囲が迷惑しそう。
そしてレコードタイトルは"Naked"。
ギター持ってるとネックが太く見える。そしてやっぱり左利き用。腕が長すぎる、この人。


ベースはもちろん、ドラムとベースも自分録りだそうです。ダグ先輩は98年のHound Pound名義のレコードから一貫してウルトラヘヴィな音像のレコードを作っている。オレ、ベーシストですから、みたいな。King's XのレコードがTyとJerryの色を抜いてしまうと、ヘヴィ一択になる感じで。とはいっても色合いとしては、ブルースロック的/ファンク的で昨今のヘヴィロックのような感じではない。その辺が歳のせいなのか。

ソウルフルな声をしていて、丁寧にメロディを追っても素敵だけれど、メロディを追わなくてもかっこいい。この人がジミヘンとかのカバーするとガチはまりなんだよ。黒っぽい声っていいなぁ。僕の声なんてぺらんぺらんですから。
今回はいつもよりグルーヴ重視の楽曲が並んでいる。King'sXですでにメロディたくさんのレコードを出しているから、ソロはそういう感じで、ということなのかな。


Naked
Naked
posted with amazlet at 13.05.11
Dug Pinnick
Rockarmy Records (2013-05-07)
売り上げランキング: 70,901
いずれにしても「歳相応」という単語からは数万光年離れたホットなレコードに仕上がってますので、気になる向きはチェックあれ。
これを聴いてしまうと66歳のディビッドボウイは現役とは言えないな。3歳差か。なんだろう。この違和感は。ボウイのもいいレコードだったけれど。



さて、ダグ先輩およびKing'sXはすでに何度も取り上げているけれど、しつこく紹介していく所存。
 

もうね、すばらしいです。ダグ先輩の声に惚れます。数知れず"Goldilox"のライブ動画をyoutube越しに見て参りましたが、これがベストですね。シャウトもかっこいいですけれど、黒くて深くて、どこか儚げな声。
こういうおとなになりたい。サル顔とか言わないから。
ちなみにギターのTyさんみたいに、ちょっとお腹出てきてぱっとしないTシャツきてダッサイ短パン履いちゃうのがアメリカ的中年の様式美。昔は白皙の美青年だったのに。
ダグ先輩はこれで47歳とかなので、こちらのほうが異常かと。


でさ。
"Goldilox"ってなんだって話。高校生のころから疑問で、辞書を調べたけれどよくわからなかった。当時はネットもなかったし。今さら検索してみると検索候補を出してくれる。いい時代になりました。
google先輩はオマエが調べたいのは"Goldilocks"じゃね?と云います。スペル間違えてんじゃねえよバーカ、だそうです。でもそれは僕のせいじゃない、こいつらの言葉遊びが悪いんです。


Goldilocksの意味はこちら。
http://dictionary.reference.com/browse/goldilocks
goldilocks  (ˈɡəʊldɪˌlɒks) 
— n
1.a Eurasian plant, Aster linosyris  (or Linosyris vulgaris ), withclusters of small 
yellow flowers: family Asteraceae  (composites)
2.See also buttercup a Eurasian ranunculaceous woodland plant,Ranunculus
 auricomus,  with yellow flowers
3.sometimes capital a person, esp a girl, with light blond hair
4.modifier; sometimes capital not prone to extremes oftemperature, volatility,
 etc: a goldilocks planet a goldilockseconomy

うーん。なんと。アスター、キクのことか。
うんわかった。3.だな。なんだ、パツキン女の話か。なんだかろっくんろーるだな。
4.の「ちょうどいい」というのもおもしろい。

「ゴルディロックスと3匹のくま(Goldilocks and the three bear)」というイギリス童話がある。"a girl with light blond hair"ってきっと、童話に出てくる女の子、ゴルディロックスちゃんの謂だろう。で、「ちょうどいい」っていうのは彼女が「ちょうどいい」熱さのおかゆを食べて、「ちょうどいい」硬さのベッドで寝たから、だという。
そこから、"goldilocks planet(ちょうどいい≒生物が住める惑星)"とか"goldilocks economy(ちょうどいい経済)"なんて単語も派生したとか。

現代風に解釈すれば、これは不法侵入の物語であろう。くまのおまわりさん、このぱつきんおんなです。読んだことないと思う。でもなんか知っている話のような気もする。


そしてGoldeloxの歌詞はこちら。初見で歌詞カードを読んでもなんのことかわからなかった。でも女の子の話、と考えるとなんとなくわかる。そうすると語り手の男の子は奥手というか、ずいぶんシャイな感じだ。
片思い、なのかな。これは。
そしてコメント欄に共感。彼らは"long-lasting relationship"を求めてるんじゃないの、って。もうね、この、おずおずとした感じ。ムズムズします。いい意味で。
なんとも夏の夜的な、甘酸っぱい気持ちにさせてくれる歌詞でありました。曲を支配する希望に満ちたような、優しいムードともなんとなく合っている。

どの時代の少年少女にだってこの種のエピソードはあるだろうし、そういうのはこれからもずっと変わらないんでしょう。1989年のものだから。その「いっとき」の感情を切り取ったものとして、たしかに「ちょうどいい」のかもね。
「ちょうどいい関係」「ちょうどいい距離感」だけじゃ足りなくなる、っていうのはまた別の話。もう少し大人になると、分かるんだな。きっと。


ちなみにアスターの花言葉は「信ずる恋、思い出、追憶」だそうですよ、お客様。
なるほどー。

ガラでもないことを書いたので、体調が悪くなってきた。



最後に、最近発見した面白いものを。

もうね、普通のアメリカン・ロックですよ。乾いた大地と真っ青な空。エレキギターなんて入れないで完全なアコースティックにしちゃえばよかったのに。
ケイト・スキナーさんはカバーバンドの人みたいですが、なんでこの人もNakedになっちゃってるんでしょう。販促でしょうか。ダグ先輩もご満悦なコメントを寄せてます。

このカバー、なんとitunesで買えます。99セント。単品では買わんぞ。
レ、レコードにされたら、わからん。