2008年5月25日日曜日

立岩先生と介護保険制度について

4.23.2006


基本的に介護保険制度は意味のある制度だとおもうのよ。
高齢者への負担増ばかりが問題となっているけれど。

端的にいってこの制度が作り出すのは「介護の外部化」
だと思う。間違ってたらごめん。
家族の介護だろうがなんだろうが、労働は労働。
それを家庭という枠の中に押し込めてきたのが今までだった。
介護を有償化するのは問題であろう、という声も確かに
あるけれどじゃあ、それまでの介護の仕手は誰だったか
ということを考えれば嫁は無償労働を強いられていた
わけでしょ。
それが「家族の暖かさ」ならなんか勘違いをしていると思う。

そこには間違いなく労働による(それも重労働だ)
負担が生じているのだから、新しく負担が増えたのではなく
潜在的に誰がが負担していた分を外部化しただけで
労働量は変わらない。費用に関しても誰かが介護している
労働量を誰かが埋め合わせたわけだから、やはり変わらない。
そんな負担をする能力は社会にないというのであれば
いままではなんだったのか、ということになってしまう。

見えないものが見えてきた、というだけのこと。
労働力が足りないなんてこともないはずだよ。
こんなに人がいるじゃないの。お金を払ってやって
もらうのはそんなに悪いことだろうか。

むしろ今までが見えなすぎたから、悲惨な事件が
家族内でおこったりしていたわけだから。
問題はありつつも前進だと思うのね。